アノニマス(無名性)デザイン?
備前焼でブランド?
一見すると
似合わない言葉の組み合わせにも思えますが
わたしたちが
なぜこのような器作りを始めたのか
少し長くなりますが
その思いを聞いていただけたらと思います。
岡山県備前地方では1000年も前の昔から
途切れなくやきものが作られてきました。
その特徴は
土の色と手触りを一番大事にしてきたこと。
水と土、木と炎、山の恵み
長い歴史の中で、
素材への感性・理解が高められ、
備前焼はかけがえのない文化になりました。
プリミティブな力を内包した、
ユニークかつ知的なやきもの。
それが備前焼です。
その器を使う人々は、
そうとは気づかない間に
やきものが持つミニマルな素材感との、
高度で知的な対話を実現しています。
備前焼は生活の中でこそ輝くのです。
私たちのまわりには
大量生産品のノベルティから
アーティスティックな作家の一品まで
本当に沢山の器があふれています。
既に物で満たされたように見える現代
これらはもはや
“作る人のための器”になりつつあります。
ぽっかりと空いた大きな穴。
大事なものが失われてしまうと感じていました。
それは
“あなたのための器”
もう誰かが作ったカッコよさや、アートっぽさに
付き合わされる必要はありません。
ただ、あなたの暮らしによりそう
あなたが、あなたを見つけることのできる器を
作りたいと考えました。
正直で誠実な仕事
ものづくりの原点に立ち戻って
土のぬくもりや作り手のやさしさを
ちゃんと感じることが出来る器を
作りたい。
穏やかで豊かな暮らしを表現できるテーブルウエアは
みんなで作るもの。
そんなイメージが浮かびました。
特別な日のためのものではなく
日々の暮らしのための器。
余計な飾りは必要ありません
自由に
あなたがあなたらしくいられるように
陶土、薪、炭、稲藁。
原料には、科学的に合成された酸化金属や化学原料は使用しません。
ろくろで成形した後、表面を丁寧に手で削りながら形を整えます。
削られた土肌は美しい線と面、やさしい手触りを生み出します。
Quiet Houseの器のテーマは「普段使い」ですが、リーズナブルな器を目指したとしても本当の備前焼の魅力、「焼き色」をしっかり感じていただけるものにしたいと考えています。
土作りから窯詰め、窯焚きまで、伝統的な技法を守り、登り窯でじっくりと焼き上げます。
生活の中に生きる器を作るために、あくまでも「使う」という機能にこだわります。
形や作り方を考えながら、常に改良を加え続けていきます。
わたしたちが望むのは、
少しのやさしさが作る穏やかで、静かな暮らし。
なんでもない日常をさり気なく、ちょっとだけ、
やさしくする。
器が使われる時にだけあらわれる
美しい出来事です。
室町時代初期に書かれた紀行文、
今川了俊の「道行きぶり」に
備前焼の里、香登に関する一節があります。
かゞつ(香登)といふさとは、
家ごとに 玉だれのこがめ(小甕)といふ物を
つくれるところなり
Quiet Houseの工房は旧山陽道、
香登から熊山へ登る途中の里山にあります。
とても静かで穏やかに流れる時間と風景の中
ひとつひとつ丁寧に手作りしています。
倉敷一陽窯・備前焼よしだ・備前焼わかくさ・
陶備堂・平井本店・
Zipangu Modern・Gallery Matsui・ふたは
たち吉・岡山鈴鹿屋
銀座三越・伊勢丹新宿店・横浜高島屋・
あべのハルカス近鉄本店・阪急うめだ本店・
大丸神戸店・大丸京都店・天満屋福山店・
天満屋倉敷店・高松三越
わたしたちが作りたいのは
みんなをつなぐハブになれるような器です。
器作りを通じ
時間をかけて作り手や使い手
関わる人みんながつながって
ものづくりの“これからのカタチ”を
生み出していけたら。
空気のように、気づけばそこにあって
みんなをやさしく包み込んでくれる
そんな存在になれたらと願っています。
Quiet Houseの取り組みは
まだ始まったばかりです。
長く愛されるブランドに
していきたいと思っています。
どうかよろしくお願いいたします。